(個人の感想です)
佐々木裕平さんという方が2016年に書かれている本。1級ファイナンシャルプランニング技能士として、FPや金融関連、行動経済学会、日本学生支援機構でもお仕事をされているようです。金融教育研究所というところで、金融リテラシーの普及活動に努めていらっしゃいます。(ネットの情報です)
最終的に著者が言いたかった(と思われる)ところ
佐々木さんが子供のころに流行っていたファミコンのロールプレイングゲームでは、勇者一行が新しい町につくと、町の入り口には町名を言うだけの住民がいる。この住民は、毎日同じことを生真面目に繰り返しているわりに、毎日の生活に、変化がない。仕事をさぼっているわけでもないのに、なんか今一つ・・・。もう少しいい生活、楽しい仕事をしたいと思っているかもしれない。同じ世界でも、自由に動いている「主人公」もいるのに。。という内容のあとで。
わたしたち(この本を読んでいる人)は、
毎日、町の名前を言うだけのキャラクターではないと思います。この本を手にしたくらいですから、自分の世界を変えたい…よりドラマチックにしたい…という願望が大なり小なりあるのではないでしょうか。(抜粋)
はっきり言って、この本を読んだ全員がお金持ちにはなれないと思う。
毎日起きて仕事に行って、帰宅して寝る、そんな平和な毎日も幸せ。だけどある意味変わり映えしない日に飽きている人が、お金持ちの「気分」になるにはどうしたらいいか、ヒントが書かれている本だと思う。
お金持ち=持っているお金の金額もそうだけど、心の余裕でもある。お金持ち=心に余裕のある人がどのような生活をしているのか、どのようなことを意識しているのか、そういったことを学べる本になっている。
なぜ、貯金が貯まらないか
貯蓄から投資への流れが加速する中、多くの人が感じているはず。そもそも投資にまわせるお金がない、と。
それは、お金の参照点が移動しているからだという。例えば20万円。小さいころに20万円と聞くと、とてつもなく大金であったはず。初任給の20万円も、とてもありがたかったし、誇らしかったし、大切に使おうと誰もが思ったであろう。
しかし、20万円を数年間もらい続けた今はどうだろうか。昔ほど、価値を感じなくなっているのではないだろうか。それほど価値を感じなくなってしまっているのではないだろうか。
たとえ給料が増えたとて、生活費をあげないことが大事と書かれている。そうすれば貯金額=投資にまわせるお金は増えていくと。
毎月の生活費20万円で生活をしているAさんとBさんで考える。Aさんの月収は22万円で、Bさんの月収は44万円だとすると、Bさんの月収はAさんの2倍になる。
しかし、本当に自由に使えるお金(基本生活費を除いたのこりのお金)の差はいくらになるか→2人の生活費は20万円なので、Aさんの自由に使えるお金は2万円、Bさんの場合には24万円。
月収の差では2倍だったのに、自由に使えるお金では12倍に。通常、収入が多くなればお金の参照点が上がり支出が多くなるが、これはBさんの参照点が低く維持できているから起こること。
自分のお金の参照点が動いていないか、超面倒くさいけど、家計簿などで毎月の支出を確認することが大事。【現状把握】1人暮らしの家計簿事情
価値の感じないモノ程、ぞんざいに扱いがちになるのは言うまでもない。20万円は20万円、絶対金感(収入によって参照点が動かない)を持っていたい。【一諾千金】貯金のスピードを速めるために
お金持ちの人の生活とは
・室内が広い
・家に神棚がある
・就寝時、机の上をキレイにする
・本棚に空間を作る
・ジャケットを着ている(身だしなみに気をつける)
・いい腕時計を1本もつ
・ニセモノは買わない
・顔なじみの店を持つ
・少数派にいく勇気
・・・・・・(理由割愛)
分かる。丁寧な暮らしをすることの大切さ、貴重さ、特別感は分かる。
しかしこれはもはや、小さいころから育まれた性質が重要な気がしてならない。“習慣化”すればこちらのモノだが、習慣化できるまでにかかる時間は人それぞれ、そしてその時間まで粘れるかも、その人次第。
わたしの短所の1つは、根気がないことだと思っている。(自分に甘い)
でも、家の中を片付けることから始めようと思います。
貯金だけではお金持ちになれない
水道費や光熱費などの固定費、日頃の食費など、節約術がテレビや雑誌などで紹介されているのを見るのは楽しい。無駄がなく、日頃何気なくやり過ごしていることについて、お~と感心させられることもある。
しかし、お金持ち(思考)の人は過度な節約は、しない。
例えば、トータル収入が5で、毎月支出3、貯金2だった生活が、節約生活をし、支出2、貯金3になったとする。
貯金が2→3に増えたわけだが、ここで貯金だけをしている人は、何も変わらない。
その貯金はいずれ使うモノであって、今使うか、後から使うかの違いでしかない。むしろ死ぬまでに使いきらなければ、せっかく働いたのに・・・もったいない。
例えばここで、貯金3のうち、2はそのまま貯金に、1を投資にまわしたらどうだろう?運用して得たリターンで、すこし贅沢な、それこそお金持ちの経験ができるかもしれない。
無駄遣いをしないという意識はもちろん大切だけど、節約だけを頑張ったところで、人生で使えるお金の総量は、変わらない。その通り。
本書の最後の方では金融商品のオススメなども書いてあるが、ここだけ読んで投資でうまくいく自信はない。興味のある人向けに参考に書いてみた、程度のことが書いてある。
ただ投資をして利益が出ただけでお金持ちにはなれないわけで(実際にお金を手にしているのだが)、お金との向き合い方とか、考え方や仕組みを理解することができる良書だと思った。是非大金を手にする前に読んでおきたい本。












